広島大学蔵本『詩紀』

【解説】
 『詩紀』百五十六巻は、明の馮惟訥が先秦から隋までの詩を集めたものであり、嘉靖三十九年(一五六〇)に、まず甄敬によって刊行された。この甄敬本に次いで、万暦十四年(一五八六)にによって金陵(南京)で刊行されたのがこの本である。『唐詩紀』との合本となっており、前付の首に汪道昆の「詩紀合序」がある。
 前付には、汪道昆の「詩紀合序」(【図1】)、王世貞の「詩紀序」(【図2】)、張四維の「詩紀序」(【図3】)、「引用諸書」、「刻詩紀凡例」、「詩紀目録」を収めている。
 巻一〜十は「古逸」として先秦の詩(【図4】)、巻十一〜一百四十は各時代ごとの詩、巻一百四十一〜一百四十四は「外集」として仙鬼の詩、巻一百四十五〜一百五十六は「別集」として詩話などを収めている。本文の書式は毎半葉九行、毎行十九字。
 本は、国内では広島大学を含め七カ所で所蔵されている。

参考文献:
 鈴木修次・一海知義「馮惟訥とその詩紀」(『日本中國學會報』第十二集 一九六〇年)

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